MCPとは何か?
MCP(Model Context Protocol)は、AIアプリがファイルを読み、関数を呼び出し、文脈を取得する方法を定めたオープン標準だ。Anthropicが2024年11月25日に発表し、Wikipediaによれば、David Soria ParraとJustin Spahr-Summersが設計した。
構成には三つの役割がある。ホストはLLMとやり取りするAIアプリ(たとえばClaude Code)、クライアントはホストがサーバーごとに一つ作るもの、サーバーはツール(データベースへのアクセスなど)やリソース(文書など)を提供するものだ。通信にはJSON-RPC 2.0を使う。デザイナーにとって最も身近な例はFigmaのMCPサーバーで、Claude Codeはこれを通してスクリーンショットではなくデザインファイルを読む。
なぜMCPが存在するのか?
MCP以前は、「AIアプリ×外部ツール」の組み合わせごとに専用のコネクタが必要で、N個のアプリとM個のツールならN×M個の統合作業になった。Wikipediaはこれを N×M 問題と呼ぶ。MCPでは、ツール側がサーバーを一度書けば、MCP対応のどのアプリからも使える。
標準は他社にも急速に広がった。Wikipediaによれば、OpenAIは2025年3月に、Google DeepMindも2025年に採用した。2025年12月、AnthropicはMCPをLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundation(AAIF)に寄贈した。AAIFはAnthropic、Block、OpenAIが共同で設立した。
MCPはどう動くのか?
ホストは起動時に各MCPサーバーへ接続し、ツールとリソースの一覧を取得して、その説明をLLMに渡す。モデルがあるツールを必要と判断すると、ホストは対応するクライアントを通じて呼び出し、結果が会話に戻る。
Figmaを例にすると、サーバーはget_design_context、get_variable_defs、get_screenshotなどのツールを提供する。Figmaのリンクを貼ると、Claude Codeはまずこれらを呼んで構造、変数、スクリーンショットを取得し、それからコードを書き始める。サーバーはローカルでもリモートでも動かせる。Figmaのものはリモートで、サインインにはOAuthを使う。
MCPは私にとってどんな意味があるのか?
メリットは、一度接続すれば複数のAIツールで共有でき、デザインファイル、文書、プロジェクト管理ツールを同じ流れで読ませられることだ。代償はセキュリティで、Wikipediaによれば、2025年4月にInvariant Labsが「ツールポイズニング」を報告した。悪意ある指示がツールの説明に隠され、モデルには見えるが利用者には見えない。2025年7月にはmcp-remoteに重大な脆弱性(CVE-2025-6514、CVSS 9.6)も見つかった。信頼できるサーバーだけを接続し、各サーバーが読み書きできるデータに注意したい。
プロトコル自体もまだ固まっていない。Figma共同創業者のDylan Fieldは、MCPを「完璧なプロトコルではない」と公に述べ、改善の余地は大きいとしている。
Figmaは2026年10月のConfig Indiaで、MCPパートナーを新たに20社追加すると発表した(TechCrunchはAmp、ClickUp、JetBrains Junie、Linear、Notion、Mistralなどを挙げた)。Claude Codeを使うデザイナーは、claude mcp addでFigmaのリモートサーバーを追加するだけで、レイアウトや変数を読ませられる。個別の統合を書く必要はない。
メリットは、サーバーを一度書けば複数のAIアプリで共有でき、エコシステムが急速に広がること。デメリットは、セキュリティモデルが追いついていないこと(Wikipediaは2026年5月の米NSAの見解として、急速な普及がセキュリティモデルの発展を上回ったと引用)と、プロトコル自体が改訂の途中であることだ。